イジワル社長と秘密の結婚
課長が連れて行ってくれたお店は、オシャレな海岸沿いの創作料理のお店だった。

店内は、北欧風のインテリアで統一されている。オレンジ色の優しい明かりが、雰囲気の良さを作っていた。

「素敵……。こんなお店があるなんて、知りませんでした」

目を輝かせる私に、課長はクックと笑いながら言った。

「開店したばかりのお店なんだよ。友人と一度来たことがあってね。さすがに混んでるな。なあ、伊原、外の席でもいいかな?」

「外にもあるんですか?」

「ああ。今夜は寒くないし、景色もいいから。店員さんに頼んでみよう」

ふと見ると、テラス席がある。テーブルには、ロウソクが灯されていて、すごくロマンチックだ。

「はい。私は、外で構いません」

課長が店員さんにお願いし、私たちはテラス席へ案内される。

「綺麗ですね……」

街の明かりも見渡せて、ちょっとした夜景スポットの様だ。それに、海から吹く風も気持ちいい……。

課長と、こんな素敵なお店でディナーだなんて、本当に嬉しい。

すっかり雰囲気に酔いしれていると、

「あっ、社長⁉︎」

課長の言葉に、一気に現実に引き戻された。




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