イジワル社長と秘密の結婚

私が出迎えたことが意外だったのか、蒼真さんは一瞬目を見張るようにして、そして微笑んだ。

「なんか、いいな。こんな風に迎えてもらうのって。あ、いい匂いがする。夕飯、作ってくれた？」

「はい。さっき、できたばかりなので……」

私たち、本当に夫婦みたい……。いや、夫婦なんだけど、ぎこちなさが減ってきたような気がする。

「ありがとな。じゃあ、冷める前に食べるか」

そう言った蒼真さんは、着替えを済ませるとダイニングテーブルに着いた。私が作ったご飯を、美味しいと言って完食してくれた。

それが、なんだか嬉しくて、私も自然と笑顔が増えている。そして早めに寝支度を整えると、寝室へ行った。