イジワル社長と秘密の結婚
課長のキス
いくら右手でも、いきなり指輪をつけていると、さすがに目立つんじゃないかな……。
と、内心心配しながら出勤をする。右手に指輪があるーーそれも、蒼真さんとの結婚指輪が。
そう考えるだけで、ときめく気持ちと、充実感がふつふつと湧いてきた。
「おはよう、ナオ」
オフィスに着くと、先に出勤していたナオに挨拶をする。ナオは気づくかな……。
「咲希、おはよう」
彼女の視線が、私の右手に向けられる。だけどナオは、なにも言わずに視線をそらした。
気づかなかったわけはないだろうけど、プライベートに首を突っ込みすぎないナオには感謝だ。
「おはようございます、課長」
デスクにいる課長に挨拶をすると、顔を上げてくれた。一緒にご飯を食べに行って以来、距離を少し取っている。
課長が私をどういうつもりで誘ったのか分からないけど、深入りしてはいけない気がしたから。
「おはよう、伊原さん」
変わらない笑みで返事をしてくれた課長は、またすぐにパソコンに目を移した。
と、内心心配しながら出勤をする。右手に指輪があるーーそれも、蒼真さんとの結婚指輪が。
そう考えるだけで、ときめく気持ちと、充実感がふつふつと湧いてきた。
「おはよう、ナオ」
オフィスに着くと、先に出勤していたナオに挨拶をする。ナオは気づくかな……。
「咲希、おはよう」
彼女の視線が、私の右手に向けられる。だけどナオは、なにも言わずに視線をそらした。
気づかなかったわけはないだろうけど、プライベートに首を突っ込みすぎないナオには感謝だ。
「おはようございます、課長」
デスクにいる課長に挨拶をすると、顔を上げてくれた。一緒にご飯を食べに行って以来、距離を少し取っている。
課長が私をどういうつもりで誘ったのか分からないけど、深入りしてはいけない気がしたから。
「おはよう、伊原さん」
変わらない笑みで返事をしてくれた課長は、またすぐにパソコンに目を移した。