イジワル社長と秘密の結婚

「ん……。ふ……」

静かな会議室に響くキスの音。お互いの舌が絡み合い、私の呼吸は荒くなった。

「そ、蒼真さん……。戻らなきゃ……」

軽く体を押し返すと、それを制するかのように強く抱きしめられる。

「もう少しだけ。咲希には、俺だけだって、思わせとかないとな」

「蒼真さんってば……」

抵抗するのも忘れ、私は彼のキスを受け入れた。こんな強引なことをするなんて、蒼真さんは私と課長を疑っているのかな。

もしかして、不安に思われている？ それならなおさら、本当のことを話した方がいいんだろうな。

でもキスのことまで話して、蒼真さんの心が離れたらどうしよう。

それが怖い……。