イジワル社長と秘密の結婚
課長と二人きりになるなんて緊張するな……。とはいえ、これだけ大勢の人がいる前で、課長もなにかしてくることはないだろうし。
平常心を見せかけながら、視線をイベントに向けていると、課長が小さく言った。
「ちょっといいか? 話があるんだ」
課長は、部屋から出ようと声をかけてくる。イベントは盛り上がりを見せていて、私たちが抜けても誰も気づかなそう。
「話とは、なんですか? 業務中ですから、抜けるのは……」
“話”というのがプライベートなことなら、今はするべきじゃない。ても課長は、構わず続けた。
「すぐに終わる。業務後に誘っても、伊原は断るだろう?」
課長に言われ、私は返す言葉がない。たしかにそうだし、プライベートなことなら、ハッキリ断るいいチャンスかもしれない。
そう思い直して、小さく頷いた。
「少しだけなら……」
課長に従い部屋をでると、非常階段の入口に来た。ここは廊下からは、死角になっているから、人に見られる心配はなさそうだ。
「ごめんな。強引で。だけど、イベントを迎えたら、もう一度伊原に言おうと思ってたんだ」
課長は真剣な顔で、私を見つめた。
「俺の気持ちは、もう言ってあるから分かると思うけど、伊原の気持ちを聞かせてほしい。俺に望みはあるのか?」
平常心を見せかけながら、視線をイベントに向けていると、課長が小さく言った。
「ちょっといいか? 話があるんだ」
課長は、部屋から出ようと声をかけてくる。イベントは盛り上がりを見せていて、私たちが抜けても誰も気づかなそう。
「話とは、なんですか? 業務中ですから、抜けるのは……」
“話”というのがプライベートなことなら、今はするべきじゃない。ても課長は、構わず続けた。
「すぐに終わる。業務後に誘っても、伊原は断るだろう?」
課長に言われ、私は返す言葉がない。たしかにそうだし、プライベートなことなら、ハッキリ断るいいチャンスかもしれない。
そう思い直して、小さく頷いた。
「少しだけなら……」
課長に従い部屋をでると、非常階段の入口に来た。ここは廊下からは、死角になっているから、人に見られる心配はなさそうだ。
「ごめんな。強引で。だけど、イベントを迎えたら、もう一度伊原に言おうと思ってたんだ」
課長は真剣な顔で、私を見つめた。
「俺の気持ちは、もう言ってあるから分かると思うけど、伊原の気持ちを聞かせてほしい。俺に望みはあるのか?」