イジワル社長と秘密の結婚
「私の気持ちですか……?」

「ああ。俺に望みがないなら、キッパリと断ってほしい。でも、少しでも希望があるなら……」

課長は一呼吸置くと、私を真っ直ぐ見据えた。

「俺と付き合ってほしい。もちろん、将来を真剣に考える仲として」

「え……」

将来を真剣に考える……? そんなことができるはずもなく、今日こそきちんとお断りしよう。

と、そのときーー。

「迫田課長? 咲希?」

ナオの声が聞こえてきて、私たちは我に返った。

「マズイな。植木さんが探しているみたいだ。仕方ない戻ろう」

「は、はい……」

どうしよう。またチャンスを逃してしまった……。




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