あの日のように。
教室に入り、軽く雄太や諒介君と挨拶を交わした。
それからは何の変哲もない、普通の一日だった。
変わったことといえば、いつも落ち着いている雄太が今日に限ってソワソワしていた。
というより、何だか苦しそうだった。
諒介君や先生が心配そうに声をかけたけど、雄太は「大丈夫」、「いつもの事だから」などという言葉しか口にしていなかった。
あたしは、ぜんそく持ちなのかな？ぐらいにしか考えなかったけど、正直、心配だった。


この時、あたしがもっと気にしていればよかったね。
もっとあなたを見るべきだった。
そうすればあなたと一緒にいられる時間が長くなっていたかもしれないのに。


「雄太、大丈夫かな？」
「なぁに？気になんの？」
深咲が意地悪そうな笑みを浮かべて聞いてきた。
「そんなんじゃないよ！けど・・・」
「確かに苦しそうだったよね・・・。明日聞いてみれば？」
「無理だよ！普段、用事がないと話さないし・・・」
「用事がないと話しちゃいけないって訳でもないでしょ！」
「あ、はい・・・」
あたしは少し肩を落としながら家路を歩いた。
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