あの日のように。

ななりん

家に帰るとあたしは部屋へと上がった。
お母さんはパートだし、お兄ちゃんはまだ学校で家には誰もいない。

あたしには3つ上のお兄ちゃんがいる。
成瀬柊斗(なるせしゅうと)。柊兄って呼んでるんだ。
見かけは俺様的な感じでカッコいい。らしい。←友達いわく。
でも内面は超シスコンの変な兄貴。
たま~にハンドルが天高く上がった見たこともないようなチャリであたしを学校まで送ってくれたりもする。
周りからは「彼氏なの?!」とか「今度紹介してよ~」みたいな言葉を一日中浴びせられる。
いい迷惑だね。

部屋の座イスに座ったあたしがボーッとしていると、ケータイのメールを知らせる着信音が部屋中に鳴り響いた。
ケータイのディスプレイには“新着メール1件”と表示されている。
受信Boxを開くとそのメールは知らないアドレスからだった。
誰だろう?

To 蘭ちゃん
Sub 急にごめんね
――――――――――――

雄太です。

深咲ちゃんからアドレス聞いたんだ。
よかったら登録よろしく^^


         雄太

   ――END――


これがあなたからの最初のメール。
今でもこのメールは保護してあるんだよ。
このメールを時折開くと、今でもあなたが近くにいる気がするの。


あたしは急いで返信した。

To 雄太
Sub Re:
―――――――――――

メールありがとう。
登録しておくね^^

今日大丈夫だった?
何か苦しそうに見えたけど・・・

         蘭

  ――END――

心配していたことを画面に打ち込み、送信ボタンを押した。
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