あの日のように。

よんりん

いやな事思い出しちゃったな。
気がつくと花壇のある中庭に着いていた。
鼻歌なんか歌いながら楽しく花に水やりをしていた。
この時間だけは、自分を忘れられるし誰にも邪魔されたくなかった。
「よぉ」
あーぁ邪魔されちゃった。
花壇の後ろには窓がある。
その窓から顔を出したのは、雄太だった。
あたしはバッと雄太の方に顔を向けた。
「ビックリした?」
「うん、ちょっとね」
そのいたずらっ子のような笑みに不覚にもドキッっとしてしまった。
「そっち行くからちょっと待ってて」
「えっ、あのっ」
あたしが話す余裕なんてものはなく、雄太は走って行ってしまった。
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