あの日のように。

ろくりん

次の日、あたしは深咲からの電話で目を覚ました。
「ん?」
「あっ!やっと出たぁ!今家の前にいるよ」
「え?!」
ふと時計を見ると、いつも学校へ登校する時間になっていることに気づいた。
あたしは深咲との電話を切って、急いで準備をし始めた。

「ごめんねっ」
「また寝坊か~?」
「えへへ」
深咲の言う通り。
あたしは朝が苦手なんだ。
まぁ深咲からの電話がなかったら、今日も寝坊してたかも。
始業式の次の日に遅刻なんてシャレになんないからね。
「昨日、雄太と話してたでしょ?」
深咲が突然、怪しい笑みを浮かべてあたしに聞いてきた。
「なんで分かるのっ?」
「あたしが部活のミーティングが終わって、外に出てみたら雄太と蘭が楽しそうにしゃべってたんだもん」
「声かけてよぉ~」
気付いてたんなら教えてくれてもよかったのにぃ・・・。
まぁ全っ然あたしも気付かなかった訳だけど。
「そういえば、雄太が蘭のアド教えてって言ってたよ?」
「え?!そうなの?」
昨日の夜に考えてたことが雄太に伝わってしまったんだろうか・・・。
んな訳あるかっ!←ノリつっこみ
「教えてもいい?」
「あ、いいよ」
こんな感じでアド交換ってするもんだっけ?
・・・っていうか、深咲はいつの間に雄太とアド交換してたんだ?
「深咲はいつ交換したの?」
「ん?あたし?あたしは昨日4人で自己紹介した後にもう赤外線で交換してたよ」
「速っ」
全く気がつかなかった・・・。
深咲はそういうの速いからなぁ。
ん?そういうのってなんだ?
まぁいいや。

そうこうしているうちに、学校へ着いた。
< 9 / 13 >

この作品をシェア

pagetop