ハツ☆ラツ
*
康平。
「用事って何?」
「あの!・・・柴原君・・・」
「はい。」
「好きです!」
だいたい、日本の高校では告白は屋上か体育館裏というのがお決まりらしい。
「ありがとう。でも、ごめん好きな人がいるんだ。」
「そうですか・・・。」
「ごめんね。」
「誰ですか?好きな人って?」
「あのさ、僕空と海が大好きなの。だから、そんな人かな。」
「どういう意味ですか?」
「僕をありのままに映してくれる鏡みたいな・・・」
「?」
「答えになってないね。」
そんなことを話しているうちに、目の前の顔の知らない女の子は泣き出していた。
「手に届かない人かな・・・。」
「えッ?」
「ごめんね・・・。」
僕がそう言うと、その子は屋上から出て行った。
「ひどいやつだね。」
「リオン…。」
「あんなかわいい子振って。」
リオンは購買で買ってきたらしい、イチゴ牛乳を飲みながら近づいてくる。
「いつからいた?」
「『あの!柴原君』から」
「全部かよ。」
「うん。」
「もてるから仕方ないんだよ。」
「最低じゃん。」