ハツ☆ラツ
*
リオン覚えてないって言ったら、うそになる。
いった言葉。
「忘れないから帰ってきなよ。」
康平君は聞こえなかったと思ってた。
あたしの初恋は康平君だった。
思い出とかほとんど忘れちゃったけど。
家にあるおうちの形をしたガラスの置物。
あたしはそれを飾って楽しむのに、毎回おままごとのたびに
引っぱり出して、割ってしまったりもした。
そして、4つだったのに最後の一つになった。
それをまた引っぱり出していた。
「みて、康平君からもらったおうち最後の1つになっちゃった。」
「じゃぁ、これ大切にしてね。」
「うん。」
「リオンちゃんとぼくの住む家だから。」
「うん。」
・・・
でもこれは小さい頃の思い出。
もう、過ぎてしまった過去にしか過ぎない。
今はそんな感情はない・・・。