ハツ☆ラツ
「で!こんなに近づいて・・・誘ってるの?」
「違うって!あと10秒待っててよ!」
お互いの心臓の音が聞こえる。
・・・
千早が走って行った。
「行った?」
「うん。」
ほんの少しの時間だったけど暑くて、
出たら涼しくて心地よかった。
「ヒサくん!行くよ!」
「え!?うん。」
ドアを開けるとハネくんがうずくまっていた。
「ハネくん。」
「なんだよ。」
「千早楓は何を言いたかったかわかる?」
「うるさい!」お前にはかんけーねーよ」
「オイ!ハネ!いい加減にしろ!」
「ヒサ!おまえも言えねーだろ!」
「馬鹿じゃないの?ハネくん?」
「何がだよ!」
「千早楓はハネくんに少しでも近付きたいから、追っかけしたんだよ。」
「知るかよ・・・」
「ハネはいつもそうだな」
「はぁ?」
「いつも、近寄ってくるもんは拒んで、欲しいもんは来るまで待って、
失ったころに気づくなんておせーんだよ!」
怒りを抑えられなくなったのか、
ハネ君はヒサくんを殴った。