ハツ☆ラツ


ハネ

こいつが俺の事を好きなのは知ってる。


でも、俺はリオンの大切さに気づいた。



居ないのは考えられなくて、常に求めていて、

・・・

愛しくて・・・。



この気持ちにさせたのはほかでもないリオンで・・・。


俺がリオン以外を愛せないのを理解してほしい。

「先輩。」
「はい?」

「私先輩のこと好きです。」

「知ってる・・・。」


沈黙が続く。

この空気にしたのは俺だけど、この空気はどうしても好きになれない。


「おれは、やっぱりリオンが好きだ。」

「・・・何でですか?」

「理由なんてない。」


「私、わかります。先輩が海崎リオンを好きな理由。
 あの人はすっごく素敵な人ですもん」

「あぁ・・・」
「先輩!私から先輩に一つアドバイス。
 【無くなった時に気づくものが本当の宝物なんですよ】
 先輩さようなら。」


そう言い終わると千早は走って階段を下りた。

「さよなら」か・・・。


俺の心のどこかに穴があいた気がした。


本当の宝物。

 俺のたからもの・・・。





< 46 / 69 >

この作品をシェア

pagetop