ハツ☆ラツ
*
ハネ
こいつが俺の事を好きなのは知ってる。
でも、俺はリオンの大切さに気づいた。
居ないのは考えられなくて、常に求めていて、
・・・
愛しくて・・・。
この気持ちにさせたのはほかでもないリオンで・・・。
俺がリオン以外を愛せないのを理解してほしい。
「先輩。」
「はい?」
「私先輩のこと好きです。」
「知ってる・・・。」
沈黙が続く。
この空気にしたのは俺だけど、この空気はどうしても好きになれない。
「おれは、やっぱりリオンが好きだ。」
「・・・何でですか?」
「理由なんてない。」
「私、わかります。先輩が海崎リオンを好きな理由。
あの人はすっごく素敵な人ですもん」
「あぁ・・・」
「先輩!私から先輩に一つアドバイス。
【無くなった時に気づくものが本当の宝物なんですよ】
先輩さようなら。」
そう言い終わると千早は走って階段を下りた。
「さよなら」か・・・。
俺の心のどこかに穴があいた気がした。
本当の宝物。
俺のたからもの・・・。