ハツ☆ラツ




コーヘー

逃げ込んできたのは、近かったので僕の家。


「ここって?」
「僕の家。」


まだ引っ越してきたばかりで、リビングには大量の段ボールが山積み。

「ごめん汚いけど僕の部屋に入ってて!」

僕の部屋って言っても、このマンションの一室じたい僕の部屋。


家族はまだ向こうの国に残っている。


1LDKでその1の部屋に通す。

僕の部屋には、ものが少ないから家の中で最初に片付いた。

少し驚いていたけど、ソファーに腰をおろした。


「なんか飲む?」
「大丈夫でっす!」
「そう?」
「はい。」

男の部屋で驚いてるのか、きょろきょろ視線を泳がせている。

「兄ちゃん元気?」
「元気です」
「ヒナちゃんもてるのに何で付き合わないの?」

「私にはとっても大好きで大切な人がいて、その人は私に何も言わないで、
遠いところへ行ってしまったんです。」


「それって・・・・。」

「死んじゃったんです。3年前に事故で。」

肩を揺らして泣いている。

ヒナちゃんを見ていると、僕の心は愛しさに駆られた。



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