ハツ☆ラツ
「もう帰るね。あの人待ってるでしょ?」
「うん。じゃぁね~。」
空が赤に染まり、家々の屋根が赤に変わり
明かりがともる。
心は未だにドキドキが止まらない。
早く明日にならないかな?
後ろを振り返ると、康平くんは
居なくなっていた・・・。
「帰った?」
*
波音
俺は見てしまった。利恩と久人がいるところを。
しかも告白していた。
利恩は今までに見たことのないくらいの
笑顔で。
久人も、同じくらい笑ってる。
それと同時に、俺の心の中で
もやもやが生まれた・・・。
「この場から逃げ出したい。」
自分でもあり得ないほど走った。
角を曲がると、女がいた。
「あのっ!」
「なに?忙しいんだけど?」
「その・・・。」
「俺行くわ・・・。」
「待ってください。」
捕まれた腕。女のくせに力がある。
「これ!」
渡されたのは、手紙。
同じ高校の制服。
後輩か・・・。
「千早 楓」
内容は告白。
俺、こういうタイプ苦手・・・。
*
久人
「おはよ~利恩!」
「おはよう。久くん。」
こうしてるだけでも、キャーキャー
言ってるコ達が利恩を敵視しているのが分かる。
俺のせいで利恩が痛い目に遭うのはイヤだな。
もう何人かは気づいてるかも。
なら・・・