ハツ☆ラツ
*
ヒサ
1時限目になってもリオンは帰ってこなかった。
だんだん天気も崩れ始めた。
「リオン・・・。」
雨が静かにも激しく降り始めた。
俺は心配で探しに行った。
屋上へ行くとリオンがびしょぬれで立っていた。
「大丈夫?」
「ヒサくん・・・。」
俺は来ていた学ランを脱いでリオンにはおらせた。
「なんかあった?」
「ヒサくん・・・ほんとにあたしで良かったの?」
「逆にリオンは良かったの?」
「・・・・・・。」
「えッ?だめだった?」
「・・・・・・っ。」
「泣いてるの?」
返事は言わないで俺に持たれた。
「どうしたの?」
息が荒いみたい。
二人しかいないのに雨のせいで騒がしくて落ち着かない。