ハツ☆ラツ


濡れた体からお互いの体温が伝わる。

理性・・・理性・・・理性!

「リオン。もしかして誘ってるの?」

「違うよ・・・馬鹿。」
「大丈夫?」
「頭痛い。」
「え?保健室行く?」

俺はリオンを背負って保健室へと急いだ。

「先生!」

・・・。

返事は帰ってこなかった。

覗き込むと誰もいなかった。

「リオンどうする?」
「ベットに連れてって。」
「うん・・・。」

男ってのは、いつか越えなきゃいけない壁があって!
それで・・・俺のこの心臓の音は何?

ドッキンドッキンなりすぎでしょう。

聞こえちゃうよ・・・

「これ・・ありがとう。」


手渡されたのは俺がリオンにはおらせた学ランだった。


ほんの少しリオンを見つめ我に帰る。
「あっ!タオル持ってくるよ。」
「うん。」

戸棚の中に山積みのタオル。
2,3枚とってリオンのもとへ急ぐ。
1枚自分を拭いて、残りをリオンに渡す。

「ありがとう」

「顔、赤いけど大丈夫?」
「すこし風邪ひいたみたい・・・。」

額に手をあてて、熱を確かめる。
少し熱いかも・・・。


< 57 / 69 >

この作品をシェア

pagetop