ハツ☆ラツ
*
コーヘー
僕は動かなかったリオンを横目に知らないふりして、その場から離れた。
屋上のドアを開け、猛ダッシュで階段を降りる。
『柴原君~』とか声をかけてくる女どもをかき分けて、一人の子に会いに行く。
靴箱でハネにぶつかった。
「なんだお前!」
「ごめん急ぎの用なんだ。」
「ハァ~~~~~~~~~~~~?」
「ヒナちゃんの兄貴なら、わかってやってください!」
なんか、ハネの顔が曇る。
やばっ・・・占められる・・・。
口ごもらせて何を言い出すのか??
「おっ・・・・お前まで!」
お前まで?
地獄へ行きたいのか?って言われるのか?
こえー。
さよなら。
ヒナちゃん
僕は君の兄さんに殺されるなんて・・・ね。
「そんなこと言わないでよ・・・。」
えーーーーー!?
何なにナニ?
僕になんて言った?
【ヒナちゃん?】
「柴原先輩?」
「おお!ヒナちゃん!」
「なんだ?お前、ヒナの知り合いなのか?」
「うるさいわね!ハネにぃは黙っててよ!」
「先輩!私に用ですか?」
「うん」
「付いてこないでよ!」
「・・・。」
「・・・ヒナちゃん?」
「はい?」
「どこに行ってるの?」
「保健室です。」
「なんで?」
「シップが欲しいんです。」
「・・・。」
「バスケで突き指しちゃって。」
「・・・今日先生いないよ。」
「二人っきりだったらどうします?」
「え・・・。じゃぁ・・・居たら今日はさぼっていなかったら・・・「あ!誰かいます!」
「じゃぁさぼりだね。」
「・・・やっぱり、シップはいいです。」
「中誰がいるの?」
「いや・・・知らない人です具合が悪そうなので」
「いや!ヒナちゃんの指の方が大切だよ。だから、僕が取りに行っても・・。」