ハツ☆ラツ
「いや、絶対したでしょ?」
「キスしたっ♪」
「・・・。」
カーッと顔が熱く、赤くなる。
おばちゃん先生が入ってきて、
「あんた達何したのか分かってるの?」
「はぁ、すみませんでした!」
「ごめんなさ~い」
「神田くん。元はあなたが悪いんでしょ?」
「はぁ~い」
「もうしないようにねっ!」
ただでさえ深いしわを
グランドキャニオン並み
に深くして、朝なのにボロボロ
の化粧はすでにボロボロではなく、
ボロボロを通り越した
未知の領域へと達していた。
「分かってるの!?」
ドン!と落ちた雷によってこの思考も
打ち壊された。
「はい!」
「神田くんは?」
「わかりましたぁ~」
「失礼しました!」
「じゃぁ~ね~。」
朝の自習の時間は丸つぶれで、
次の授業が始まろうとしていた。
少々急ぎ足で歩く。
「久くんって以外とぐれてるね。」
「うん。でも、心は純情!」
「意味わかんないよ。」
不意にぐっと腕を捕まれる。
「いつか分かるよ。」
耳にささやかれた言葉。
あたしの鼓動は今までにないほど
高鳴っていた。
期待と不安のイバラの道。
進むも止まるもあたし次第。
でも、久くんとならどこまででも
歩いて行ける気がする。
*
波音
あいつと利恩のことをみんなが
話している。
俺は怠慢張っていたから途中からしか
学校に来てないけど。
校長室から出てくるなり、
熱いね~。
まぁ、俺には関係ないけど。
ペタッペタッペタッ___
やばい。あいつが来る。
「先輩!!」
「来るな~!」