『短編』紙婚式
「ねえ、覚えてる?僕がプロポーズした場所」
「もちろん」
「あの時の気持ち、忘れたくないなって思ったんだ。2人でずっと、一緒にいたいなって。だから、再現してみました」
亮……。
わたし……ごめん。
亮のこと疑うだなんて、妻失格だ。
こんなにわたしのこと思っててくれたなんて。
涙が溢れて止まらない。
「え?え?どうしたの?」
心配そうにわたしの顔を覗き込む。
「ごめんなさい……」
「え?な、なんで?」
「わたし、亮が梨花さんと浮気してるんじゃないかって……」
「はあ?」
突然のわたしの告白に、亮は素っ頓狂な声を出した。