『短編』紙婚式
というのは、少し前のことで。
最近の亮は、いつも帰りが遅い。
ちらりとリビングの時計を見上げると、もうすぐ日が変わろうとしていた。
「はあ……」
思わずため息が漏れてしまう。
テーブルの上には、まだ食べてもらえない夕食が、ラップに包まれて虚しく主人を待っている。
本当は一緒に食べたかったのにな。
全部1人で済ませちゃったよ。
ソファにゆったりと座りながら、深夜のバラエティ番組をぼんやりと見つめる。
浮気……かな。
ふと、そんなことが頭をよぎった。