『短編』紙婚式
……まさか。
亮に限ってそんなこと。
ないない。
ないってば。
ひとり、首をぶんぶんと横に振る。
お笑い芸人の騒ぐ声が、1人のリビングに虚しく響き渡る。
……なんか。
わたし、勘違いしてた。
結婚したらいつも一緒にいられるから、寂しくないって思ってたのに。
違う。
なんか、寂しい。
毎日ちゃんとこの家に帰ってきてくれているのに、どうしてこんな気持ちになるんだろう。
ちらりと壁のカレンダーに目をやる。
結婚してまだ1年もたっていないのに。
わたしったら、何考えてるんだろう。