君にずっと片想い
その本の主人公のあまり冴えない男の子には、好きな子がいた。
その子は誰もが羨む美貌の持ち主で。
でも主人公の男の子のことを好きな、もう一人の女の子がいた。
その女の子はどこにでもいる平凡な子。
主人公に片想いする彼女の姿が自分と重なるように思えて、かなり読み耽ってしまった。
物語の中盤に差し掛かったところで、顔を上げて外をみた。
もう真っ暗だ。
冬は日が暮れるのが早い。
私はその本をカウンターに持っていき、貸出の手続きをして図書室を出た。