君にずっと片想い



「まあ…………。コウとの仲も悪くしたくなかったっていうチキンだよ。


それに…………本当はすっげー葛藤してた。白石以上に好きになれる人、中々いなくてさ。」



どうしようもなく涙が溢れそうになった。



凉は自嘲気味に笑いながら話を続ける。




「………好きになれた人には、振られるし。


でも。白石のことちゃんと好きだったよ。素直で真っ直ぐでかわいい白石が。」





我慢していた涙が零れ落ちた。


言いたいことは沢山あるのに、声にならない。



実りはしなかったけど、6年ごしの片想いは決して無駄なんかじゃなかったよ。



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