君にずっと片想い



坂本の声は電車の音に掻き消されてしまって、よく聞こえなかった。




「電車来たよ?」


「ああ…うん。」



電車に乗って、空いていた席に座ったあと。



「ねぇ、さっきなんて言ったの?」


「…もう言わない。」


「えーなんで!」


「恥ずかしいから…。」



珍しく坂本のポーカーフェイスが崩れてる。



「え、なに言ったの?」



ほんのりと顔が赤い。


坂本のこんなとこ初めてだ。



「顔赤いよ?」


「うるさい。」



ずっと言い合いながら
私達は家に帰った。


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