君にずっと片想い
その横顔は何か言いたげだった。
「そっか。」
でも発した言葉はたったこれだけ。
絶対気づいてるのに。
私が凉を見てたこと。
でも坂本は知らないフリをした。
そのあとも、私達は二人の姿を見えなくなるまで黙って見つめていた。
長い沈黙を破ったのは、彼のほう。
「そろそろ戻るか」
「そうだね…」
ゆっくりと歩き始める。
もう冬に近づきつつあるこの季節。
夕方となればかなり冷えてきて寒かった。
でも、体が冷える寒さよりも、心の寒さを感じた。