さくらんぼなあたしと王子様
ぼーっと桜羅くんに見入っている

あたしを桜羅くんは

「俺をいつまで待たす気だよ?
ばーか。」

といい、冷ややかな瞳であたしを見つめて

腕をひっぱった。

「ふぁっ。」

マヌケなあたしの声は宙にまって

あたしの体はベッドに着地した、

同じベッドのうえに桜羅くんも
座っているという事実が恥ずかしくて、
あたしは鞄をあさる。
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