さくらんぼなあたしと王子様
ううう。

あたしはギュッと、固く

目を閉じてドキドキが聞こえないことを
強く、願った。

「莉愛…。」

切なげにあたしの名前を呼んだ

桜羅くんの、細くて綺麗な手が

髪から頬に渡った。

ビクッ!!

目を閉じているから桜羅くんの

表情が読めない。  

この甘い空気に酔わされそう…。

そんなことを思ったら…。
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