さくらんぼなあたしと王子様
「雛斗……。」

とりあえず、急に飛び出して

来ちゃったこと謝らなきゃ。
 
「ご、めんなさ…、
わぁっ…!」

言い掛けたけど、雛斗が

あたしをギュッと抱きしめたから、

最後まで言えなかった。

ズキッ

前、抱きしめられた時は

ドキドキしっぱなしだったのに、

今はすっごく胸が痛くて

苦しくて、切なくて…。

涙が静かに流れた。
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