さくらんぼなあたしと王子様
案の定、誰もいなかった。

よかった…。

こんな目じゃ、人前に

でれないもん。

目をハンカチで押さえたまま

椅子に座って、頭も休めることに…。

何も考えたくない。

本の独特な匂いがあたしを落ち着かせた。


ガクッ!!

「!?!?」

目を押さえるために立てていた

肘が机から落ち、あたしは今まで

寝ていたことに気がついた。

目もだいぶ違和感がなくなったし、

帰ろうかな…。

腕時計に目をやると、6時前を

針が指していた。
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