さくらんぼなあたしと王子様
「みとれてた?」

クスッと、また、あの

低くて甘くて、そんでもって

色気のある声であたしに

ささやいた。

「……ッ!?」

あたしは、耳をおさえてふりむくと

桜羅くんはいなくて

かわりに、目をまん丸くしている

世羅ちゃんがたっていた。

「莉愛、顔真っ赤だよ?」

「あ、せ、世羅ちゃんおかえり…。」

「なにかあったの?」

「なんでもないよ、か、帰ろっ…、」

うまくごまかして

あたしたちも教室から

でて、お泊まりにくる

世羅ちゃんの荷物を

とりにいくため

世羅ちゃんちに向かった。
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