さくらんぼなあたしと王子様
「…………好き。」


伝わったか分からない。

聞こえたかも分からない。

胸の前で制服を強く握った。

逃げ出したらだめなのに……。


あたしの小さく呟いたキモチと
雛斗を置き去りにして、
その場から走って逃げた。
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