さくらんぼなあたしと王子様
隣の人も、男の子だったりして…。

そんなことを考えていると、チャイムと共に教室のドアがあいた。

ざわついていたクラスが、急に静まり返った。

「…?」

不思議に思い、視線をあげるときれいな女の先生と…。

すると、急にまたクラス中がざわざわしだした。

「やばい、超イケメンじゃない?」

「かっこいい!」

女の子がとくにさわぎだした。

「桜羅くん、席についてね?」

「はい」

「……ッ」

男の子が返事をしただけで先生は頬をあからめ、

「キャー!」

と女の子の興奮した叫び声。

男の子はあたしの左隣に…。

あたしもチラッと男の子の顔を見つめてみた。

トクン、トクン。

甘い脈がゆっくりと体中を巡った。

きれいな白い肌に筋の通った鼻、まつげもながくて上をむいている。

きっとあたしよりながい。

ゆるくむすばれている唇はピンク色。

トクン、トクン。

自己紹介している先生の話を、受け流し。

後ろの男の子達でさえ、かっこいい、とつぶやいている。

「はいっ!」

ビクーッ!!

急に大きな声がしてあたしは体が小さくはねた。

「では、学級委員長は持月さんです。」

持月さん…えっ、世羅ちゃん!?

学級委員長に、立候補したんだあ。

世羅ちゃんらしいなあ~。

あたしは人前にたつだけで
たおれそうになるのに…。
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