さくらんぼなあたしと王子様
「失礼します……。」

自分でもツッコミたくなるほどの

声の小ささ。

だけど、田中先生はあたしが

来たことに気づいてくれた。

「ごめんな~。呼んで、
有重は遅かったけど迷子か~?」

ドキッ!

「図星かよ…W」

どうしてあたしの体はこんなにも

正直なんだろう。

「おっと、ところでだな、
明日からお前ら図書当番してくれ。」

「えっ…。」

「はい。」

冷静な返事をした桜羅くんと

対照的にあたしは

固まっていた。


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