オオカミ先輩の猫かぶり
「あーれー?おっかしいなぁ?私の時と全然違う!」



そう言いながら私たちに近づいてくる人。



長くて白い足に、綺麗に整う小さい顔は陸先輩といい勝負。



女子バスケ部のキャプテン兼エース近藤玲奈先輩だ。



「はぁ…。玲奈うるさい。」



ダルそうにあっち行けと、シッシッと手を払う先輩。



こんな態度悪い先輩を初めて見た。



「もうー!相変わらず陸はヒドイなー!」



近藤先輩は何も気にしていないように笑い飛ばした。



見た目によらずサバサバしている。



「紗和。放っておいて行こう?」



「えっでも…。」



私の腕をつかんで行こうとする先輩に、私は戸惑って近藤先輩の方を見る。



「あっ。あなた、陸の彼女の子だよね?私は近藤玲奈!陸の幼馴染みなの。よろしくね!」



私とバッチリ目が合うと、近藤先輩はにっこり笑って言う。



「あっこちらこそ、よろしくお願いします。」



あわててペコリと頭を下げると、近藤先輩は優しく微笑んでくれた。
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