オオカミ先輩の猫かぶり
「さーわー?聞いてる?」



「あっ。すみません、ちょっとボーッとしてました。」



「もしかして、体調悪い?」



心配そうに先輩が見つめてくるから、慌てて首を横に振った。



今日は先輩と付き合って、13日目。



明日、どうするか決めないといけない。



付き合うって決めたのは、ただ純粋に先輩を知りたいった思ったから。



でも、今は自分がどうしたいのか分からない。



「りーく!紗和ちゃーん!おはよー!」



ニコニコしながら走ってくるのは玲奈先輩。



隣の陸先輩を見ると明らかに嫌そうな顔をしている。



昨日から思ってたけど、陸先輩って玲奈先輩のことどう思っているのだろう。



態度は悪いけど、拒絶してるわけでもないし、嫌いではなさそう。



というか、逆に素を見せてて、信頼してるようにもとれる。



それに、すごくお似合いだな。



私なんかより…。



なんて、ふたりを見ながらそんなことを考えていた。
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