オオカミ先輩の猫かぶり
「…えっ。うそ。」
戻った先には陸先輩と、玲奈先輩がいて。
ふたりは密着していて、陸先輩が玲奈先輩に合わせて背を屈めて。
私からだと先輩の背中でよく見えないけど。
キス、してた。
私は手に持ってたじょうろを落としてしまって、その音で先輩が振り向く。
驚いた表情の陸先輩とその後ろの玲奈先輩。
私は走り出していた。
やっと気づいた。
私は先輩が、好きなんだ。
だから、玲奈先輩にモヤモヤして。
だから、こんなに今胸が痛くて、苦しいんだ。