鬼に恋した鬼使い(仮)
住宅地にある一軒家。
新しくもないし、古くもない。
小さすぎもしないし、そこまで広くない。
とにかく普通の家。
ぎこちない様子のアルをとりあえずリビングまで通す。
アルは部屋の様子をキョロキョロと見渡すと
「…一人暮らしですか?」
と聞いてきた。
誰かと暮らしてる様には見えなかったんだろう。
置いてあるのはテレビ、ソファー、テーブルくらいで生活感が薄い。
「うん。両親は幼いときに事故で亡くしてて。ずっと一人暮らし」
「そうでしたか…」
アルが顔を曇らせた。