鬼に恋した鬼使い(仮)
少ししてようやく自分が抱きしめられてると気がついた。
力任せにきつく抱きしめるのではなく、本当に優しく包み込むように抱きしめてた。
状況を理解した途端身体の熱が一気に上昇した。
えっ!?なんで抱きしめられてるの!?
とドキドキで、軽くパニックしていた。
「あ、アル…?」
「無理して笑わないでください」
「……!?」
アルはそう言って、抱きしめていた力を強くした。
辛そうな声で、でもあまりにも優しくて…
…私は泣きそうになった。
本当は今までとても寂しかったから。
アルは言葉を続けた。
「寂しかったなら、大丈夫と平気なふりをしないでください。」