鬼に恋した鬼使い(仮)
――時は少し遡り数十分前…
私、桜木春香(18歳)は今、ある場所へと向かっている最中である。
私は鬼使い。
鬼使いとは鬼を従えさせる人間のこと。
大昔、山奥にすむ鬼は村に降りては、人間を襲っていたんだって。
被害も酷く、死者だっていたそうだ。
困り果てた人間は鬼に襲われないように、鬼を従わせる術を身につけた。
鬼をてなずけて、従わせることができるようになったの。
そうやって鬼使いができたんだって。
鬼が襲ってくるということは、今では全くないけれど、鬼使いは今でもこうして残っていて、人は鬼と共に共存している。