鬼に恋した鬼使い(仮)
「い、急がなきゃ......ってうわ!?」
ベチーーン
「は、はるか様!?」
急いで布団から飛びて走り出そうとし、スリッパを履きそびれて転んでしまった私に、アルが慌てて駆け寄ってきた。
「...っっっいたたたた...」
「お怪我ありませんか!?」
鼻をさすっていた私を、アルが心配そうに覗きこんできた。
怪我は無いけど、寝起きの顔を見られている恥ずかしさや、こけてしまった恥ずかしさで、穴があったら入りたい気分だ。
それに......
「はるか様?」
なんの反応も取らなかった......いや、取れなかった私に疑問に思ったアルが、更に顔を除きこんだ。
「............っ」
整った綺麗な顔が近くなり、私の顔がみるみる赤くなっていく。
「だ、だだ、大丈夫!!ありがとう。」