鬼に恋した鬼使い(仮)
「あなたの鬼が勝ったら、もう何も言わないし、あなたのこと認めるわ。
ただし…」
麗奈がより一層睨みつけるように見下ろしてきた。
「この勝負であなたが負けたら私にその鬼をよこしなさい」
「え…ッ」
なんでそんなこと言われなきゃいけないのか、と思うよりも先に、私はもし負けたらと考えてしまった。
負けたらアルが麗奈の鬼に…
つまり私の側からいなくなるっていうこと?
―ズキッ
…それはいや
絶対いや…
今まで色んな鬼とパートナーになってきたけれど、こんなこと思うのは初めてで。
何故そう思うのか全く分からない私の心は戸惑いが隠せない。
けれど、今確かに分かっていることは――
"アルと離れたくない"
ということだった。