女王様は上機嫌【GL】
女王様の襲来
踏みつけ
「いっくぞー! 消える魔球!」
「嘘つけー」
うはははは、と廊下に笑い声が響く。
放課後の暇を持て余して、わたし達は野球ごっこをしていた。
ピッチャーはクラスメイト。
バッターはわたし。
丸めた新聞紙のボールが投げられる。
「カキーン!」
自分で効果音をつけて、バットに見立てたほうきで打った。
ボールはピッチャーの頭上を追い越して飛んでいく。
そして――。
「あっ」
ぽすっと軽い音を立てて。
ちょうど通りかかった女子の頭にぶつかった。
< 1 / 124 >