女王様は上機嫌【GL】
「わたしの服の下、見せてやろうか?」
「え」
「あんた、きっとビビるよ。アザだらけで」
「なん、で」
「わたしが親父にシンパイかけるから、だろ?」
千鶴の台詞を理解して、わたしは後退った。
見たくない。
そんなの、見たくないよ。
「心配だから、だよ」
自分の鼓動が嫌に耳に響く。
「千鶴が学校サボったり夜遊びしたりするから、だから」
わたしは間違ったことは言ってないはずだ。
それなのに。
酷く的外れなことを言っている気もするのは、なぜなんだろう。
千鶴の顔から表情が消えた。
そして。
「―――」
わたしに背を向け、無言でトイレから出ていこうとする。
なにか言わないと、と思って。
「‥‥明日、学校来るよね?」
そう、その背中に声を投げかけたけど。
千鶴はなにも答えずに、扉を開けて行ってしまった。