女王様は上機嫌【GL】
夜の公園
それからの日々は、平和だった。
ちゃんと登校するようになった千鶴が、わたしを無視するようになって。
わたしも千鶴に話しかけなくなって。
それがそのまま日常になっていく。
千鶴のワガママに振り回されることのない日々。
そんな毎日がずるずると過ぎて――。
「あっつ~い」
ユカが机の上にヘロヘロと突っ伏する。
もう、七月も中旬に差しかかっていた。
太陽の熱が室内にまで入り込んで、皮膚から汗が滲む。
ユカは椅子の下で足をバタバタさせた。
「図書室は涼しいと思ったのに~」
「まさかクーラーが壊れてるとはね」
わたしも苦笑するしかない。
本棚が並ぶ室内の壁に、
『クーラー故障中』
と書かれた紙が貼られている。
クーラーの冷風を目当てに訪れたわたし達には、かなり痛い事実だ。