女王様は上機嫌【GL】
――おい。
なんだよう眠いよう。
――おい。
眠いんだってば。
――起きろ。
やだやだ。
眠いんだもん。
ずっと寝てたいんだもん。
――じゃあ死ね。
突然、頭に激痛が走った。
「いったあ~~!」
叫びながら目を開けると、千鶴のアップが目に飛び込む。
「わあ?!」
「うるせーな。弁当箱で殴っただけだろ」
「ひ、ひど‥‥!」
――っていうか、夕方?!
空がオレンジ色に染まっていることに気づいて、慌てて起きる。
「放課後?!」
「ああ」
千鶴は腰を上げて、仁王立ちになった。
夕日をバックに長い髪がなびく。
整えられた眉がつり上がり、すっと冷ややかに細められる瞳。
「わたしはあんたに起こせと言ったはずだ。この役立たず」
その姿があまりにもハマっていて。
お許しください女王様。
と、思わず謝りたくなった。