女王様は上機嫌【GL】
うちのクラスは平和だ。
イジメとかないし。
女子はやっぱりグループを作るし、男子にも徒党はあるんだろうけど。
それでもみんな仲がいい。
仲間意識がわりと強いクラスだ。
一年のときと同じメンバーなのがよかったのだと思う。
そんな中で、溶け込む努力を放棄している千鶴はただの部外者だ。
「あ。ねえ、そういえばさ」
次の授業のために理科室へと移動する道すがら、ユカが言う。
「もうすぐ体育祭じゃん」
「うん」
「みんななにに出るか決めちゃったじゃん」
「うん」
「あの子、どうするの?」
ユカが後ろにちらりと目を向けた。
その視線を追う。
そこには、廊下を歩く千鶴の姿があった。
――さて、どうするんだろう?