女王様は上機嫌【GL】
こういう子を美少女って言うんだなあ。
羨ましい。
なんて思いながら、彼女の前で屈んでボールに手を伸ばした。
「あー、やっちゃった」
「ごめんねー」
彼女に謝るクラスメイトの軽い声が聞こえる。
そして。
信じられないことが起こった。
彼女の右足がふわりと浮いたかと思うと、わたしの手をボールごと踏みつけたのだ。
「いっ――!」
わたしは声を上げた。
痛くて。
「あのさ」
頭の上から声が降ってくる。
見上げると、笑みを浮かべた彼女がわたしを見下ろしていた。