女王様は上機嫌【GL】
舌の温度
「おはよー」
登校中、同じ道を歩く千鶴を見つけて駆け寄った。
ぽんっと肩を叩く。
「‥‥ああ」
千鶴の返事はそっけない。
あれから二日。
わたしは彼女の友達らしく振る舞うことにしていた。
見かけたら、積極的に話しかける。
千鶴の態度が冷ややかでも、そんなもんだと気にしない。
一度だけメールもしてみた。
返信がなかったから、それはもう諦めたけど。
「頑なだよね」
千鶴の態度を見て、ユカが呟いた。
「変な噂もあるし」
「噂?」
首を傾げるわたしに、ユカは肩をすくめてみせる。
「まあ、ただの噂だよ」